暑い…涼しい中いかがお過ごしですしょうか?
今年は例年にもまして衣替えのしづらいベルリンよりお便りです。
セーターは一年中しまうことがないのですが、今年はマフラーと手袋すらもしまえないまま6月を迎えることになりました。
ヨーロッパでは日本のようにはっきりとした季節の変化が順序良くやってくることはなく、寒い寒いと言っていた翌日に突然快晴の夏日がやってくることが多い気がします。数日前には32度を越え突然真夏かと思っていたら今日はこうしてセーターを羽織って執筆しています。
春を待ち続けていたら夏になっていた、といったドイツの初夏、気候や気温で感じるより、街の変化で気がつくことが多い気がします。
ドイツの初夏
ドイツの夏といえばビアガーテン、を想像されるかと思います。
太陽が沈むと肌寒さを通り越してけっこう寒いのですが、用意された毛布を羽織ながらもビールを飲んでいるドイツ人で賑わいます。
ちょうど今年は4年に一度のサッカーワールドカップがあり、小さなカフェにもテレビやスクリーンが置かれ、即席のビアガーテンでサポートする姿があちこちでみられます。涼しいながらも夏らしい活気があふれています。
そして週末となると公園はバーベキューをするグループで大賑わい。
最近公園として開放になったベルリン市内の旧飛行場の滑走路も新しいBBQスポットとして大人気です。
暖かく晴れの日を逃すと次はいつかまったくわからないこちらの気候では太陽への思い入れは並ではありません。
視覚で感じる季節
さて、暖かい季節の訪れを喜ぶのは人間だけではありません。
冬の間は影をひそめていた植物たちが活気づきます。
裏庭の木を観察していたら20日間でこうして見事な緑をつけました。
食する初夏
目にも味覚にも楽しいハーブ、バジルやパセリは定番ですがその他ドイツではイタリアやフランスとは一味違ったハーブが見られます。
ハーブを育てることは趣味というよりも日常のごく一部。
キッチンの出窓で小さな家庭菜園コーナーをかまえ、少しずつ摘んで食します。
特に栽培が簡単なGartenkresse(クレス)はドイツ家庭の常備野菜。ハーブというより小さな青野菜。サラダにふりかけたりお皿のデコレーションにしたり、なかなか重宝するのです。
そして暖かい風が吹き始めて楽しいのはマーケットめぐり。
季節ものが週変わりにお目見えします。冬野菜と違って色とりどりでにぎやかさを増します。春先にはイチゴや白アスパラが特に目を惹きます。
地下鉄構内にまで季節限定でイチゴ売りのお店が登場。
最初に出回る大粒のイチゴはスペインなどからの輸入物、それから数週間後の小粒はドイツ国産のイチゴ。
白アスパラを食べたか、まだか、もこの時期の話題のひとつです。
「アスパラガス」をテーマに友達と集まってちょっとしたホームパーティーを開いたり。
四季の変化があいまいな土地では新鮮な季節の素材で味わう四季の移り変わりも楽しいものです。
みなさんはどんな初夏を味わってらっしゃるでしょうか?
※この記事は2010年にご寄稿いただいたものです。記載されている情報は寄稿当時のものです。
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特派員:スズキ(フランスで学生をしたり、スイスで時計店に勤めたり、気がつくとヨーロッパ10年目、現在はドイツで再び学生生活中。)
vol.1『エコロジストの正体』
vol.2『明かりの世代交代』
vol.3『寒さとのお付き合い』
vol.4 『待ちに待った春の訪れ』
vol.5『初夏を味わう』
vol.6『引越しは秋の風情』
vol.7『手作り家作り』