鹿児島からの便り vol.2


寒中お見舞い申し上げます。
早いもので、平成26年度も1ヶ月が過ぎてしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私が住む鹿児島市内も例年以上に寒く感じる日が多いように思います。
南国、鹿児島と言えども桜島にうっすらと雪化粧した日も数日あります。

社屋から見る鹿児島富士の桜島

社屋から見る鹿児島富士の桜島

ところで、鹿児島からの便りは弊社が平成23年度の国土交通省の補助事業である、『住宅・建築物省CO2先導事業』に「かごしまの地域型省CO2エコハウス」を踏まえて、蒸暑地の冬の住まい方について紹介していきたいと思います。
その前に、思い出しも兼ねて弊社の取組みの核としての「LCCMプロジェクト」があります。

【LCCM=Life Cycle Carbon Minus(ライフサイクルカーボンマイナス)とは?】

【LCCM=Life Cycle Carbon Minus(ライフサイクルカーボンマイナス)とは?】

「LCCMプロジェクト」とは住宅のライフサイクル(建設~居住~改修~維持管理~解体)全体を通じてCO2の排出をマイナスにする取組みを行いながら、住む人が快適に健康に暮らせることを目指して取組んでいます。
それでは、鹿児島の冬の気候は3年前に、鹿児島市内でもなんと25㎝もの積雪に見舞われたことがあり、今年も条件によっては大雪になるのではないかと個人的には思っています。(笑)

南日本新聞より

南日本新聞より

ここ鹿児島県は本土としては最南端であり、寒くないイメージの方が多いと思います。鹿児島の地形は日本の中でも特別な地域だと私は思っています。
というのも、中心に桜島を囲む錦江湾という内海があり、東に太平洋、西に日本海の海に囲まれながらも、日本海側からの冷気が浸入に加え、北は熊本県や宮崎県の山間部に隣接しているために南国の北海道と呼ばれる地域もあります。私は鹿児島市内でも山間部に住んでいますが、事務所のある湾岸地とは約2~3℃も温度差がある時もあります。

それでは、鹿児島県の過去30年間(1981年~2010年)の温熱環境を確認すると下記のようになります。

気象庁ホームページより

気象庁ホームページより

みなさんは表を見られて意外と寒いんだなとか、予想通りだと思われた方に分かれるかもしれませんね。
具体的に12月からの平均気温は12月:10.6℃,1月:8.5℃,2月:9.8℃,3月:12.5℃ですが、最低気温は平均から4℃程度低く、最高は4~5℃高い状態となっています。

データ参考:気象庁ホームページ

データ参考:気象庁ホームページ

しかし、冬日(最低気温0℃未満)が無いわけではありません、平成24年度の鹿児島空港のある溝辺町では51日もあり、県内を移動する中で朝の出発時の気温と2時間後に到着した時の気温が同じということもあります。
140206_kagoshima010このような気温からの自然環境に加えて、私たち鹿児島のシンボルでもある桜島の降灰を考えた時に、高気密・高断熱仕様+遮熱対策(暖気・冷気共)やパッシブな対応も行っております。
そうした中、断熱仕様は基礎断熱の充填断熱工法を採用しながら、太陽熱(夏対応)や冷熱(冬対応)が屋根面からの浸入を防ぐために、屋根面断熱を採用しております。
また、冬型結露対策として外壁面はもちろんのこと屋根面においても通気工法を採用し、建物にとっての天敵である湿気対策も十分に考慮しております。

仕様

仕様

仕様

仕様

これらの断熱仕様によって、これまで室内の中の温度環境は一般住宅では写真左の様にエアコンは25℃で暖めても床面11℃で天井付近は17℃と温度差が6℃もあるために大変不快である上に、窓周りは結露がひどく大変です。それに対して写真右の様な高気密・高断熱+遮熱仕様ではエアコンは22℃設定にもかかわらず床面が21℃で天井面も22℃と上下の温度差も少なく快適な環境を実現することが出来ました。この様に、南国鹿児島であってもしっかりとした断熱・気密を行い、冬対策をすることは住まいに暮らす人達にとっても快適であると同時に省エネの観点からもエアコンの設定温度を3℃下げられCO2削減につながることになります。

断熱・気密性能の違い

断熱・気密性能の違い

より快適に! より省エネに! よりCO2排出量の少ない住まいであるためには、時間軸からも変化の少ないことが大切であり、温度差も無いことが更に重要だと思っています。
そこで、弊社の高気密高断熱住宅と一般賃貸住宅において温度変化を測定したデータより3つの温度差について考えてみました。

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1.カラダに負担を与える”上下の温度差

1.カラダに負担を与える”上下の温度差

カラダに負担を与える”水平の温度差”

2.カラダに負担を与える”水平の温度差”

3.カラダに負担を与える”時間による温度差”

3.カラダに負担を与える”時間による温度差”

以上のように3つの温度差について比較しましたが、私たちは設計コンセプトとして「絆の家」というものを掲げ、横の広がりや上下の広がりのある家族の気配を感じながら住まう空間づくりをしています。そのためにも常に空調のみに頼ることなく、上下・水平・時間によって温度差がより少なく住まいづくりが大切であると思い、蒸暑地に冬に応じたスペックの高気密・高断熱仕様としています。

南日本新聞の記事

南日本新聞の記事

特に、脱衣室や浴室の温度差による突然死は交通事故死亡の2倍とも言われております。
今後益々、高齢化社会になる中、住宅内で全裸になる脱衣・浴室内が冷えていると血管か縮み、その後に暖かい浴槽に入り血管が膨張することにより血管が破れてしまい突然死に至るようです。ですから、より血圧の変化の少ない住環境を造るかは私たちの責任でもあると思います。
そのため私たちは、基礎断熱工法を採用し、外気の温度変化に左右されることなく、暖房をしている居室の熱によって、床下全体が冷たくない程度の環境が出来、廊下部分やトイレ・脱衣室・浴室の床面が極端に冷たくない工法を採用しています。

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パッシブ的な視点から室内に太陽光を取り入れることによって、基礎断熱の効果が更に高まりると共に、暖房負荷を軽減しながら快適に過ごすことが出来ます。

これまで話をしてきた温熱環境はどのような建物の性能によるのかを具体的に単独展示場をモデルに説明すると、気密性能C値:0.5㎠/㎡,断熱性能U値:0.52W/㎡・Kなどの性能をしっかりと押さえながら、蒸暑地である鹿児島の建物はどうあるべきかを考えながらお客様にしっかりとしたものを提供できるように取組んでおります。
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私達の鹿児島は観光が一年を通じて様々なところがあり、海に、山に、温泉に、新鮮な食材の黒豚・黒牛・鶏・魚を食べながら美味しい焼酎を飲むと自然に楽しい語りの場が盛上がります。今から春に向けては「きびなご」が旬を迎えますよ。

お便りを見られた方は、是非、鹿児島に遊びに来てください。

最後になりますが、「鹿児島からの便り(夏・冬編)」をまとめることにより、改めて整理することが出来たことは私自身にとっても勉強になりました。ありがとうございました。

130807_kagoshima_mori「鹿児島からの便り」特派員
森勇清(山佐産業㈱ 取締役 住宅本部部長)
1968年鹿児島県垂水市生まれ。 一級建築士
2008~2010年「長期優良住宅先導的モデル事業」採択、2011年「住宅・建築物省CO2先導事業」採択、
2012年「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2012」特別優秀賞・優秀企業賞受賞
2013年 GOOD DESIGN AWARD 2013 「みずみずシーン」・「いっぽんの木」受賞

愛媛からの便りが届きました


霊峰石鎚山の雪化粧

霊峰石鎚山の雪化粧

愛媛から冬の便りが届きました。

愛媛からのお便りを送っていただいたのは、新日本建設株式会社の村上さんです。

同社による「えひめの風土と生きる家~次世代につなぐ地域連携型LCCM住宅※~」は、平成24年度「住宅・建築物省CO2先導事業」の採択を受けており、その提案内容をメインに夏と冬2回に分けてお伝えいただいています。

※LCCM住宅(ライフ サイクル カーボン マイナス住宅)住宅の建設時から運用時、廃棄時においてのCO2収支をマイナスにしようとする住宅のこと。

詳しくは「愛媛からの便り」をご覧ください。

愛媛からの便り Vol.2

愛媛からの便り vol.2


年が明け、愛媛でも寒い日が続いております。
四国山地の山は高く、特に石鎚山(いしづちさん)は1,982mと西日本最高峰の山となっています。
そのためよく雪化粧している石鎚山を道後平野から見ることができます。

霊峰石鎚山の雪化粧

霊峰石鎚山の雪化粧

それでは夏編から引き続き、国土交通省「住宅・建築物省CO2先導事業」の弊社のプロジェクトについてお話しします。
前回は木材の自然乾燥による省エネ効果や建物の省エネ措置の概要についてお話しましたが、今回は地域の生産者や組合などと連携した省エネ対策についてお話します。

①廃石材を利用したねこ土台
愛媛県今治市の大島石は「伊予の銘石」と呼ばれています。主に墓石に使われており、石目、石肌ともに美しいといわれています。その墓石の加工段階で発生する廃石材をカットしてねこ土台(基礎と土台の間に敷く通気パッキン)にしました。廃材を利用することで環境保全に役立つと考えます。

墓石の廃石材

墓石の廃石材

ねこ土台に加工して使用

ねこ土台に加工して使用

②薪窯で焼かれた洗面ボール
愛媛県砥部町は「砥部焼(とべやき)」という焼き物で有名な町です。窯元もたくさんあるのですが、今回その中から薪窯(まきがま)のある窯元と協力して洗面ボールや手洗い器を作っていただきました。電気窯やガス窯を使わず、木材加工段階で発生した廃木材を窯元に運び、薪窯に使用します。バイオマスエネルギーを積極的に活用することで二酸化炭素の発生を抑えます。

薪窯の様子

薪窯の様子

薪窯で焼かれた洗面ボール

薪窯で焼かれた洗面ボール

③ペレットストーブの活用
暖房設備としてペレットストーブを設置します。弊社は家づくりにおいて「自然循環・地産地消」を実現するため自社で森林を保有し、グループ会社協力のもと伐採、葉枯らし乾燥、運搬、製材、天然乾燥、加工と一貫体制を構築しています。その過程で発生した廃木材の一部を県内のペレット製造工場に運び、ペレットにします。それをストーブに使うことで、バイオマス資源を活用しています。

ペレットストーブ

ペレットストーブ

愛媛ペレット

愛媛ペレット

④久万高原ラティス耐震パネル
愛媛県の山間部に久万高原町という町があります。町の産業は主に林業です。この町が「久万材の家づくり推進協議会」を立ち上げ、地元材を使った家づくりに関する研究や開発を行っています。今回開発されたのは「久万高原ラティス耐震パネル」というもので、接着剤を使わず杉の間伐材を使用して製作された耐震パネルです。壁倍率は2.7倍~4.2倍となっています。ちなみに耐力壁として構造用合板がよく使われますが、(財)日本木材総合情報センターによると、合板の製造時炭素放出量は156kg/㎥ですが、天然乾燥製材であれば16kg/㎥と約10分の1程度となっています。

ラティス耐震パネルの設置状況

ラティス耐震パネルの設置状況

⑤伊予森林組合によるオフセット・クレジット
伊予森林組合は間伐促進型森林吸収プロジェクトとして、大規模な間伐を推進し森林整備を行ってきました。間伐による森林のCO2吸収量をクレジット化し、今後の持続可能な森林整備に活用していく計画です。弊社としては1棟につき4tのオフセット・クレジットをお施主様と折半で購入することにしました。オフセット・クレジットの認知が少しでも広がり、地域に貢献できればと思います。

オフセット・クレジット証書

オフセット・クレジット証書

前回夏編でお話しした木材の自然乾燥や、上記5つの地域連携を実現することによって、建設段階の二酸化炭素排出量を抑制しています。LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)を建設するにあたり、居住段階の省エネ措置はもちろんのこと、建設段階の省CO2を実現しなくてはなりません。今回のプロジェクトでは、上記の団体のほかにも様々な人たちと協力して家づくりを進めております。

日野商事株式会社(森林管理・保全、伐採・搬出、製材、廃材リサイクル)
有限会社かどや木材(木材の製品、加工)
独立行政法人森林総合研究所(植林)
久万材の家づくり推進協議会(間伐材を使った耐震ラティスパネルの提供)
有限会社内藤鋼業(木質ペレットの製造)
株式会社青山石工房(廃石材を利用したねこ土台の製作)
砥部焼作家龍泉窯(薪窯による陶器の製作)
伊予森林組合(間伐によるオフセット・クレジットの購入)
一般社団法人JBN環境委員会(普及・波及活動)
一般社団法人愛媛県中小建築業協会(普及・波及活動)

この場を借りましてお礼申し上げます。また、「住宅・建築物省CO2先導事業」に応募するにあたり、一般社団法人JBNの環境委員会にご指導、ご協力をいただきました。ありがとうございました。

夏編と冬編に分けて「住宅・建築物省CO2先導事業」の弊社のプロジェクトについてお話しさせていただきました。拙文ながら最後までお読みくださりありがとうございました。

愛媛からの便り特派員(村上敦)愛媛からの便り-特派員
村上敦(新日本建設株式会社勤務)
1975年愛媛県東温市生まれ
一級建築士、一級建築施工管理技士

被災地からの便りが届きました


どちらが高性能住宅か一目瞭然!(わかりますよね?)

どちらが高性能住宅か一目瞭然!(わかりますよね?)

住宅・建築物省CO2先導事業 (平成23年度 第3回 特定被災区域部門)〔住宅(戸建住宅)〕採択を受けたFPコーポレーションの門田さんから、冬の便りが届きました。

前回は夏の便りとして、当時の震災状況と本事業に採択された建物性能についてご紹介いただきました。今回は、冬編ということで本物の省エネ住宅(高性能住宅)が、震災時にどのような性能を発揮し、また健康に対しても影響を持ち、そして性能の差を目で見ることができること等をご紹介いただいています。

詳しくは「被災地からの便り」をご覧ください。

被災地からの便り Vol.2

被災地からの便り Vol.2


住宅・建築物省CO2先導事業 (平成23年度 第3回 特定被災区域部門)
〔住宅(戸建住宅)〕採択を受けて

前回は、当時の震災状況と本事業に採択された建物性能についてご紹介させていただきました。今回は、冬編ということで本物の省エネ住宅(高性能住宅)が、震災時にどのような性能を発揮し、また健康に対しても影響を持ち、そして性能の差を目で見ることができることをお伝えしたいと思います。

本事業に提案しました提案住宅は「FPの家」をほぼ標準仕様のままで採択となりました。全国に約45,000棟の実績があり、もちろん震災地域にも数多くの「FPの家」が建っています。

震災時に性能を発揮した点については前回でも南雄三様のお話を交えご紹介しましたが震災当時、帰宅困難の小学生が近所のお宅に分散して泊まったそうですが、省エネ住宅とそうでない住宅とで暖房が無い中、家の中の暖かさがはっきりと違ったそうです。もちろん「FPの家」に泊まった生徒たちは皆口をそろえて暖かかったといってくれました。

省エネ住宅は、災害時にも威力を発揮してくれることを証明しました。

省エネ住宅は更に健康にも良い影響を与えてくれます。

交通死亡事故が年間5千人を下回っている現在、いまだに家庭内死亡事故が1万件を超えています。その死亡原因の殆どが住宅性能を悪さから来る温度差による「ヒートショック」が原因といわれています。健康維持増進住宅研究委員会(国土交通省主幹)が2009年に行った2万人のアンケート調査では、断熱性能が高くなるほど、諸症状(15項目)がよくなるといた結果がでました。そこで「FPの家」にお住まいのユーザー様から同じアンケートを4千件強実施し、2万件に上乗せしました。その結果、2万件のときよりも更に良い改善率の結果となりました。この結果から、省エネ住宅は光熱費の削減だけではなく医療費の削減にも役立ちます。

エネルギー資源を海外に頼り、そして高齢化社会が加速し、医療費負担が増大していく日本にとって、高性能な省エネ住宅は、今後益々不可欠となってくるでしょう。

一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議による「暮らしと住まいの健康講習テキスト」表紙

一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議による「暮らしと住まいの健康講習テキスト」の表紙

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一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議による「暮らしと住まいの健康講習テキスト」の中で示された「高断熱の健康改善効果」。

建築業界と医療業界が一体となって、住宅と性能について調査を始めました。「一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議」
http://www.kokumin-kaigi.jp/

高性能住宅といっても計算された数値では、その性能を車や家電製品のように簡単に比較や体感できないのが住宅です。更には、造ったときは良くても住宅は20年・30年、この資源の無い日本において、今では100年以上移り住んでいかなければならなくなってきました。家を腐らせず経年変化をさせないことが、高性能住宅の必須条件の一つであります。

FPグループ会員工務店では現在全棟気密測定を行って相当隙間面積1.0c㎡/㎡以下での、お引渡しを行っていますが、現在5年以上経ったFPの家の気密の経年変化を調べるため再測定を全国から物件を抜き出して行っております。

更には、サーモカメラを使った経年変化も調査しようと考えております。建物が完成したときは良くても、地震や風力、その他の諸条件による振動等による断熱材の脱落等や壁体内結露など経年変化を起こしていないか、気密測定・サーモカメラによる断熱変化を調査し始めます。

災害の多い日本において、地震や台風、最近は水害に強い住宅づくりはもちろん、省エネ性・耐久性・耐火性、もちろんデザイン性も大切です。それらがそろって、そこに住まう家族の幸せが生み出せると信じています。

地震国日本において耐震性は欠くことはできません。造った時は丈夫でも10年後、腐っていては地震に耐えられません。ですから経年変化を追及するのです。

津波に耐えたFPの家

津波に耐えたFPの家

津波に耐えたFPの家

津波に耐えたFPの家。全てが残ったわけではありませんが、周りの住宅が全て流された中、1棟のFPの家だけが残り、改修しお客様が住み続けております。

特に湿度の高い日本において湿気・結露は木造を腐らせる原因となり、耐久性を著しく損ないます。日本で木造建築が始まったときからの課題でもあります。

それに対し、現在では室内側に防湿層が設けられ、通気層工法が標準的な施工方法となっております。更に「FPの家」では、断熱材に透湿抵抗のお高い硬質ウレタンフォームを使用し、ユーザー様に「無結露50年保証」(ウレタン素材内部)を実施しております。

更には、全棟気密測定を実施し、相当隙間面積1.0c㎡/㎡でのお引渡しを実施しております。

現在では全国平均0.48c㎡/㎡にまで技術レベルが上がってきましたので、本事業では、0.5c㎡/㎡以下の高い性能で提案いたしました。

気密がよくなれば、室内結露が発生しやすくなります。しかし、気密の性能が良いほど計画換気がしやすくなります。「FPの家」では換気が義務化になった平成15年以前の、今から30年も前から24時間計画換気システムを実施してきました。そして、計画したとおりに換気がなされているか、風量測定も実施しております。そのおかげで結露はほとんど無縁です。

また、お引渡し前にホルムアルデヒド及び5種類のVOCを測定し、お引渡し前に基準値以下であることも実施しております。

さてここで、高性能住宅の性能や経年変化を目で見る方法を伝授いたします。(というほどのことでもありませんが)

ひとつは、サーモカメラを使った方法ですが今回サーモカメラが無くても、断熱性能を見分ける方法があります。

これは自然現象の協力が必要です。

それは、雪です。雪が降ったときに近所の屋根を見てください。雪が残っているか、融けているか。屋根だけではなく、基礎周りも意外ときれいに除雪しているなと思ったら建物のから熱が逃げて家の周りの雪を融かしていることがあります。

どちらが高性能住宅か一目瞭然!(わかりますよね?)

どちらが高性能住宅か一目瞭然!(わかりますよね?)

雪が降ったら是非、周りのお家を観察してみてください。

現在札幌にQ値0.44W/㎡kのモデルハウスが完成し体験宿泊をすることができます。今年は寒さが厳しいので体験宿泊し快適さを満喫するにはもってこいの時期です。また、東京でもQ値0.97W/㎡kの建物が完成予定です。こちらもお客様のご好意により5月頃まで見学が可能です。

体験宿泊・見学をご希望の方は下記までご連絡ください。
㈱FPコーポレーション 東京本社 FP営業部
東京都千代田区岩本町2丁目18-3 NBS岩本町ビル4F
TEL:03-6891-7812
担当:門田昌士(モンタマサシ)

今回をもって私のお話は終わりますが、また機会がありましたサーモカメラや気密の経年変化などのデーターをお見せしたいと思います。

皆様の家づくりに少しでもお役に立てましたら幸いです。

門田昌士(もんた まさし)
1961年生、北海道岩見沢市生まれの道産子。大学卒業後、東京に夢を抱きミニゼネコンで現場監督を経験するも、バブルの渦に飲み込まれ失意の元Uターンし、木造の現場監督として再起。その時、高断熱・高気密住宅のFPの家』に出会う。正直に仕事が出来ることに喜びを感じる。
長年現場を経験し、問題があれば答えは現場にあるとの考えから、建て方はもちろん断熱・気密・換気の施工から、建築後の床下から小屋裏まで、どこまでも潜り込んで原因を追究。
現在、東京都においてパッシブを主としたQ値1.0W/㎡kをきる低炭素型『FPの家』を構築し推進中。
また、一般社団法人JBNと共同で、外国産及び化学畳に押され生産量が落ち込んでいる国産いぐさ及び日本の文化を守るため、真空断熱材を畳床に利用した「VIP和畳」(熊本県推奨畳表仕様)を普及促進に従事。

京都「南禅寺の家」から、冬の便りが届きました

アサイド


南禅寺の家。紅葉前11月の様子。

南禅寺の家。紅葉前11月の様子。

京都「南禅寺の家」から、冬の便りが届きました。

夏の便りに引き続き、このレポートを書いてくれたのは、「南禅寺の家」の設計者である豊田さんです。

京都の左官職人の技術を活かした南禅寺の家について詳しくご紹介いただいています。

なお設計者である豊田さんは、この「南禅寺の家」で(財)建築環境・省エネルギー機構主催「第5回サスティナブル住宅賞」において「国土交通大臣賞〔新築部門〕」の他、第9回木の建築賞 木の住宅賞、第7回地域住宅計画賞 地域住宅計画奨励賞も受賞しています。

詳しくはこちらをどうそ。

沖縄からの便りが届きました


沖縄の冬の海

沖縄の冬の海

2014冬編の連載第2段として、冬の沖縄からの便りが届きました。

沖縄は冬でも暖かいというイメージがありますが、
夏の延長のような「常夏」が続いているわけではなさそうです。

詳しくは、蒸暑地域住まいの研究会理事長でもある松田まり子さんからのお便りをご覧ください。

沖縄からの便り Vol.2

沖縄の冬がどんな風に寒いのか、よく理解できる内容になっています。

沖縄からの便りvol.2


常夏の楽園のイメージがありますが、沖縄にも冬がやってきました。沖縄の冬は、暖かいと思いますか?

沖縄の冬ってどのくらい暖かいの?

一般的に沖縄の冬は12~3月のことを指します。

沖縄気温

沖縄風向

それでも平均気温は、12月・1月は17℃、2月が19℃、3月が20℃前後あります。もちろん晴れて天気のいい日は、冬であろうとまるで初夏のような日差しが降り注ぎます。そうなれば、車の中は暑くてエアコンをつけたり、Tシャツ1枚になったりすることもあります。

と言っても、基本的に冬の沖縄は曇りや雨の日が多く、あわいブルーの空に覆われています。

沖縄の冬の空

沖縄の冬の空:事務所の前から

そして、冬の時期の沖縄の気候の特徴は、なんといっても北東の風の影響です。
海から吹き付けるこの北東の風は、最大で約15m/sにもなります。

1m/sで体感気温は1度下がるといわれているので、実際17℃でも体感温度は2℃になり、ぐんと寒く感じさせるのです。

それでも、室内は風が入らない限り寒くはないので暖房はあまり使用しません。

自立循環型住宅への設計ガイドライン蒸暑地版より

自立循環型住宅への設計ガイドライン蒸暑地版より

 

沖縄で冬に暖房をつけたくなるほど寒い日は、一冬に数日間と言われていますので、本土の冬の寒さと比べればもちろん格段に暖かいことは間違いないのですが、悪天候の冬の沖縄ではそれほど暖かさは望めません。

結露と断熱材について

室内の環境はどうなっているでしょう。温度だけでなく、湿度にも着目してみました。
ここ数日、夜中になると喉が痛く乾燥しているように感じていました。
昨年、住んでいるアパートの温湿度を1年間測定しました。
1月から3月までの平均湿度は78.3%で最低湿度も48%です。
湿度は40~60%であれば快適なので、加湿する必要はないのですが、夏の蒸し暑さを比べると乾燥しているように感じてしまうのかもしれません。
多湿なはずの沖縄でも、加湿器が販売されていて、実際使用されている方も結構います。
60%以下になったら使います、いう声もありました。

春夏秋は、除湿に全力をそそぎ、冬になったとたん加湿に移行するという、なんだか府に落ちない循環です。
加湿で一番気になるのは、カビです。実は先日、我が家で見つけてしまいました。玄関の壁にカビがびっしり生えていました。

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RC造の住宅だと、耐熱性の大きいコンクリートが夜中に冷え、そこに昼間窓を開けると、湿った暖かい空気があたり一気に結露し、カビになったのではないかと思います。

沖縄の結露は、RC造の場合次の場合に起こります。

  1. 夏:夕方冷房をつけ、眠る前に窓を開ける。→室内の冷えたコンクリートの壁に外気の湿った空気があたり結露する。
  2. 冬または春先:比較的寒い日が続き、暖かくなった時に風を室内に入れる。→室内の冷えたRCの壁に外気の湿った空気があたり結露する。
  3. 冬:雨の日に、鍋をする。→室内の温度と湿度があがり、外が比較的寒いと結露する。

この結露を防ぐには、室内側に断熱材を張るなどの仕上げが必要となりますが、この断熱材の使用方法も、沖縄での基準があります。

改正省エネ法によって、省エネルギー区分がⅥ地域に指定されていましたが、8地域になりました。そこでは、8地域に該当する沖縄県の壁の断熱は必ずしも必要ではない、という内容に改正されました。

室温と外気温が近い状態の環境の方が、省エネに関しても有効だということです。

たとえば、夏の不在宅時に窓もしめきったままにすると、熱が内部に蓄熱されて帰宅時には40℃近い室温になってしまいます。そこで熱を放とうとしようにも、断熱していればうまく放出できない状態になります。

断熱したからには、その熱を放出する大きな開口または換気システムが必要になります。

それよりも、不在時に外気と同じ室温になるようなしくみをつくって、壁の断熱材を省いた方がよりスマートなのかもしれません。

今までは高気密・高断熱が主流でしたが、これから必要とされる省エネ技術は、自然環境とのハイタッチが重要なポイントになると思います。

1月にさくら祭り(※1)、そしてひまわりも満開になる(※2)という沖縄ですが、この気候に合った省エネ技術やライフスタイルを探していきたいと思います。

 

冬の沖縄は、観光シーズンから離れて格安ですが、ホエールワッチングや世界遺産めぐりなど色々楽しめます。

もちろん、曇っていても海の色は青いです。幸運にも晴れたときは、日焼けを気にせずに、軽く海水浴もできるかもしれません。

沖縄の冬の海

沖縄の冬の海

遊びに来た際には、当事務所にもお気軽にお立ち寄りください。

以上、沖縄からでした。

 

※1 名護さくら祭り(2014年は1/25、26に開催予定)
http://kanko.city.nago.okinawa.jp/event/sakura2013.html#

※2 沖縄・中城のひまわり畑(平年は1月後半から2月前半に見ごろを迎える)
http://www.okinawainfo.net/himawari.htm

DSC_0749「沖縄からの便り」特派員
松田まり子(NPO蒸暑地域住まいの研究会)
1977年沖縄県那覇市生まれ。2000年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。卒業後、沖縄県内設計事務所および東京都内の設計事務所、デベロッパー勤務。2010年より特定非営利活動法人蒸暑地域住まいの研究会理事に就任。現在特定非営利活動法人蒸暑地域住まいの研究会理事長。

◇沖縄からの便り 他の記事を読む
・vol.1 2013年夏編
・vol.2 2014年冬編
・vol.3 2014年夏編
・vol.4 2015年冬編
・vol.5 2015年夏編
・vol.6 2016年冬編
・vol.7 2016年夏編
・vol.8 2017年冬編
・vol.9 2017年秋編

北海道からの便りが届きました


△2013年12月の下川町環境共生型モデル住宅 美桑(みくわ) 竣工して3度目の冬を向かえました。この3年あまりで延べ4000人あまりの方々に良さを体感して頂きました。

△2013年12月の下川町環境共生型モデル住宅 美桑(みくわ)
竣工して3度目の冬を向かえました。この3年あまりで延べ4000人あまりの方々に良さを体感して頂きました。

北海道から冬の便りが届きました。

今年で竣工後4年を迎える「下川町環境共生型モデル住宅美桑」の設計者の櫻井百子さんからのお便りです。

下川町の環境共生住宅型モデル住宅美桑は、「環境省21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」で採択されたモデル住宅で、体験宿泊も可能です。

その最北の環境共生住宅に関する内容の他に、冬の北海道の厳しさや美しさ等もご紹介いただいています。

詳しくは「北海道からの便り」をご覧ください。

北海道からの便り Vol.2

2014年冬編がスタートします


[ご挨拶]

明けましておめでとうございます。
平素より一般社団法人 環境共生住宅推進協議会のホームページをご利用いただき、ありがとうございます。

『地域からの便り』2013年夏編に続き、2014年冬編をお送りします。
このシリーズは日本国内の地域に限定し、また環境と共生する住まいづくりの専門家を中心にご寄稿をお願いしています。

地域は沖縄県那覇市、鹿児島県鹿児島市、愛媛県松山市、高知県高知市、滋賀県近江八幡市、東京都町田市、東北地方(岩手県、宮城県、福島県)、秋田県能代市、北海道下川町の計9箇所です。

日本は南北に長く、中央に高い山が多いため、同じ緯度の地域であっても日本海側と太平洋側だけでなく、山地や盆地、平野部などの地形の違いでまた違った気候になります。
その気候の多様さが一番顕著に見られるのが『冬』ではないでしょうか?

2014年冬編では、多様な日本の冬とその風土に根差した住まいや暮らしのあり方について、各地域の皆様からお寄せいただいた『地域からの便り・冬編』は、2014年1月から3月までの間にリレー形式で公開していく予定です。

この連載を通じて、環境と共生する住まいづくりを考えていらっしゃる皆さまや、すでに取り組まれている皆さまの情報交流にもつながって行くことを願っております

2014年1月
一般社団法人 環境共生住宅推進協議会

2014年冬編


[ご挨拶]

明けましておめでとうございます。
平素より一般社団法人 環境共生住宅推進協議会のホームページをご利用いただき、ありがとうございます。

『地域からの便り』2013年夏編に続き、2014年冬編をお送りします。
このシリーズは日本国内の地域に限定し、また環境と共生する住まいづくりの専門家を中心にご寄稿をお願いしています。

地域は沖縄県那覇市、鹿児島県鹿児島市、愛媛県松山市、高知県高知市、滋賀県近江八幡市、東京都町田市、東北地方(岩手県、宮城県、福島県)、秋田県能代市、北海道下川町の計9箇所です。

日本は南北に長く、中央に高い山が多いため、同じ緯度の地域であっても日本海側と太平洋側だけでなく、山地や盆地、平野部などの地形の違いでまた違った気候になります。
その気候の多様さが一番顕著に見られるのが『冬』ではないでしょうか?

2014年冬編では、多様な日本の冬とその風土に根差した住まいや暮らしのあり方について、各地域の皆様からお寄せいただいた『地域からの便り・冬編』は、2014年1月から3月までの間にリレー形式で公開していく予定です。

この連載を通じて、環境と共生する住まいづくりを考えていらっしゃる皆さまや、すでに取り組まれている皆さまの情報交流にもつながって行くことを願っております

2014年1月
一般社団法人 環境共生住宅推進協議会

カテゴリー: 未分類

北海道からの便りVol.2


夏に引き続き最北の北海道からお届けします。

新しい年を迎えて、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

札幌は昨年と比べて雪は少ないものの、年末年始とずいぶんな積雪があり、雪かきに追われたお正月を過ごしました。
ちょっとした会話の中にも朝の気温の話題と、降る雪の量の話題が欠かせません。

人口約180万人、近隣のベッドタウンも含めると約220万人が暮らす札幌圏は、世界でもっとも雪が多い都市と聞いた事があります。

路肩に盛り上がった雪は道幅を狭くし、いつもは普通にすれ違う事の出来る道路も、譲り合いながら車を走らせます。路上で雪にはまって立ち往生していれば助け合い、雪で狭くなった歩道も譲り合いながらすれ違う、この季節になると他人同士のちょっとした気遣いが心をほっこりさせてくれる場面によく出会います。厳しい気候や環境も小さな気遣いの積み重ねでなんとか乗り切って春を迎えるのだな〜。とつくづく思います。

現場に向かう車窓より

現場に向かう車窓より
雪かきに追われ、車の渋滞にイライラしながらも、はっとする美しい光景に慰められます。

そんな中でも果敢に現場は進みます。昔は、現場の大工さんと言えば季節労働者で冬は工事をしないものでしたが、冬にお休みする大工さんはいなくなりました。特に今年は世相を反映して工事件数は例年よりも多く、さらに職人さんや資材の不足、材料の価格高騰など、順調な工程を阻む要素が非常に多くて、本格的な冬を前にあらかた工事が終わる予定だった物件も、厳しい季節のまっただ中進めなくてはならないところも少なくない状況です。冬期間の工事は採暖養生や雪かきに労力も費用もかかり、環境負荷も大きくなるので避けたいところなのですが、止むを得ません。遠方の工事となるとなおさら。現場に通うのも大変です。

△12月の倶知安(くっちゃん)の現場 本当はもうちょっと全容がわかるところまで進んでいるはずでしたが……。一晩に80cm積もった時は足場が一部破損するアクシデントも。

12月の倶知安(くっちゃん)の現場
本当はもうちょっと全容がわかるところまで進んでいるはずでしたが……。一晩に80cm積もった時は足場が一部破損するアクシデントも。

倶知安はウインタースポーツに親しまれている方ならご存知の方も多いはず。お隣のニセコと並んで、北海道の中でも一番を争う豪雪地帯です。昨年の4月の中頃敷地を見に行った時は全面にまだ2m以上の積雪が残っていました。黙っていればあっというまに一階部分は雪の中。そんな中でも降り積もる雪を見ながら「また雪かきか。憂鬱だなぁ〜」と思わずに、美しい雪をわくわく愛でられるようなすまいにしたい。というのがテーマになっている住宅です。そのためにはまず、3mの積雪があっても1階が暗くならないように2階への吹抜けから光が下りる事。また、その大開口からは羊蹄山が望める事。雪かきをしなくても使える雁木空間を十分確保する事。そしてなにより、言うまでもなく断熱気密をしっかりとり、温かで快適な室内環境を整える事。そのことで環境負荷と冬期間の暖房費用を最小限に抑える事を強く意識して計画しています。

△2層に吹き抜けた雁木空間 ちょうど、職人さんたち総出で、200kg以上あるトリプルガラスの木製サッシを納めているところ。

2層に吹き抜けた雁木空間
ちょうど、職人さんたち総出で、200kg以上あるトリプルガラスの木製サッシを納めているところ。

南側に傾斜した片流れ屋根は南側全面に設けた2層吹抜けの雁木空間を包み、日射遮蔽も兼ねています。南側に落ちた屋根の雪は日射で解けやすいことも期待しています。壁面は外張りも含めて240mm、屋根面300mmのグラスウール、サッシはダブルLow-eのトリプルガラス木製サッシで、分厚いコートを着込んだような仕様です。換気は自然給気を床下に導入し、床暖房で暖まったところで室内に供給、重力差で一番高いところから自然排気をとるパッシブな方法を採用しています。

△江差の平屋 足場で見えずらいですが、写真奥には日本海が望めるロケーション。 冬はその日本海からのたば風と言われる季節風が容赦なく吹き付ける。

江差の平屋
足場で見えずらいですが、写真奥には日本海が望めるロケーション。
冬はその日本海からのたば風と言われる季節風が容赦なく吹き付ける。

一方、古くから樽前船の公益で栄えた、北海道の中でもっとも歴史の古い道南の江差町では、平屋の住宅の現場が進んでいます。こちらは積雪は多くても30cm程度。そのかわり冬の日本海から吹き付けるたば風は、常時風速20mほどと聞いています。同じ北海道でもこうも気候が違うものかと、あらためて地域の環境の多様さと北海道の広大さに驚きながら通っています。

こちらのすまいは、このたば風をいかに受け流して快適に住まう事が出来るか。ということを意識して低く、低く構え、ガレージを風上側に配置したコートハウス形式としました。道南杉の外壁で囲まれた中庭は冬でもたば風の影響少ない貴重な外部空間となるはずです。倶知安の住宅と同じく、断熱気密をしっかりとり、温かで快適な室内環境を整える事は基本です。始めて真空のトリプルガラスの樹脂サッシを採用し、温熱環境がどのようになるか楽しみなところでもあります。

△千歳ありがとうファームでの試み 築50年ほどのコンクリートブロック造の農家住宅の2階を快適空間にリノベーションしています。限られた予算で手探りしつつのセルフビルドに挑戦中です。

千歳ありがとうファームでの試み
築50年ほどのコンクリートブロック造の農家住宅の2階を快適空間にリノベーションしています。限られた予算で手探りしつつのセルフビルドに挑戦中です。

「千歳ありがとうファーム」の詳細はこちら(外部サイト)をどうぞ
https://readyfor.jp/projects/783

一方、新千歳空港からほど近い千歳市内で、自然栽培にこだわって農業を営んでいらっしゃるありがとうファームさんでは、セルフビルドで断熱改修工事を進めています。隣町の苫小牧市で製造されているウッドファイバーを、床、壁、天井面に充填し、すっぽり包み込む工事です。ウッドファイバーは元はドイツの技術で、チップ状の道産材を、木質バイオマスを利用して蒸してほぐしてボード状に固めてあり、熱貫流率はグラスウールと同等ですが、木質繊維は蓄熱効果があり、環境負荷も少なく、大変優れた断熱材です。
詳しくは木の繊維HP: http://www.kinoseni.com

新築だけではなく、既存の建物をいかにして暖かく快適に改修し、大切に使って行くかということは、これからもっと求められる技術です。構造はまだしっかりしているのに、「寒い」ということで取り壊されてしまう建物も多いのです。限られた資源を活かして、環境負荷の少ない丁寧な暮らしを目指す上で、すまいを環境に優しく断熱化して行くことは大きなテーマです。

△2013年12月の下川町環境共生型モデル住宅 美桑(みくわ) 竣工して3度目の冬を向かえました。この3年あまりで延べ4000人あまりの方々に良さを体感して頂きました。

2013年12月の下川町環境共生型モデル住宅 美桑(みくわ)
竣工して3度目の冬を向かえました。この3年あまりで延べ4000人あまりの方々に良さを体感して頂きました。

最後に、私の設計活動の原点である、下川町の美桑を再びご紹介したいと思います。今シーズンは始めて、地中熱ヒートポンプから切り替えて、暖房も給湯も熱源の全てを木質ペレットでまかなっています。11月から4月にかけての厳冬期、美桑はその優れた環境性能を体感するのに最適な季節を迎えます。宿泊して体感できる施設は数少ないので、北海道にお越しの際にはぜひ下川町へいらしてください。
宿泊体験問い合わせ:五味温泉http://gomionsen.jp/mikuwa/
TEL:01655-4-3311

130731_sakurai北海道からの便り-特派員/櫻井 百子(さくらい ももこ)

1973年北海道旭川市生まれ。北海道東海大学芸術工学部卒業後、都市計画事務所、アトリエ設計事務所を経て2008年アトリエmomo設立。子育てしながら、こころや環境にできるだけ負荷の少ない設計を心がけている。平成22年度 北海道赤レンガ建築奨励賞、2011年度 JIA環境建築賞 優秀賞 (住宅部門) 受賞。

[北海道からの便り バックナンバー]
・北海道からの便り vol.1
・北海道からの便り vol.2
・北海道からの便り vol.3
・北海道からの便り vol.4
・北海道からの便り vol.5
・北海道からの便り vol.6
・北海道からの便り vol.7
・北海道からの便り vol.8

地域からの便り・2013年夏編の連載終了について


2013年7月から続けてまいりました「2013年夏編」の連載は、鶴川からの便りでいったん終了します。

同じメンバーで、「2013~2014年冬編」の連載を予定しておりますので、お楽しみに。

なお「バックナンバー」からは、世界各地からの「地域からの便り」を地域ごとにご覧いただけます。

こちらも夏編と合わせてお楽しみください。

それではまた、冬にお会いしましょう。

東京近郊~鶴川からの便りが届きました


9月に入りましたが、まだまだ日中は暑さが続いています。
今回は東京都町田市にある「エコヴィレッジ きのかの家」の住人であり、長い間、当協議会の技術顧問を務めていた綜建築研究所・会長(前代表) 中林由行さんからお便りをいただきました。

きのかの家は2007年に竣工した、コーポラティブ型の環境共生住宅です。コーポラティブの特性を活かし、各住戸ごとに、居住者の要望や身体的な特性等、様々な環境対応を盛り込んだ住宅です。その設計から竣工、5年間の生活を通して発見したこと等、盛りだくさんな内容になっています。

詳しくは「東京近郊~鶴川からの便り Vol.1」をご覧ください。

東京近郊~鶴川からの便り vol.1


■白州次郎が住んだ鶴川というところ

私の住んでいるエコヴィレッジ鶴川「きのかの家」は東京都町田市に約6年前(2006年末)に竣工しました。鶴川は東京の都市部と田園部の境目といえるような位置で、まだまだ林や田畑も多く残っており、利便さと自然環境の良さの両方を享受できるというところが気に入っています。

有名なところでは、太平洋戦争をはさむ激動の時代を生きた白州次郎・正子夫妻が住んだ茅葺の家「武相荘(ぶあいそう)」(今は記念館)がすぐ目の前にあります。欧米をよく知る白州次郎は日本の敗戦をいち早く予測し、昭和15年には鶴川村に転居し畑を耕しながら自給自足の生活を始めています。その頃はこの辺はまだ全くの田舎であったようですが、今思えば都会人のエコライフの先駆者としての白州次郎が選んだ場所が鶴川であったともいえるでしょう。

■エコと健康がテーマのコーポラティブハウス「きのかの家」

「きのかの家」は「健康と環境共生」をテーマとしてつくられた30戸のコーポラティブハウスです。地元の大地主さんの敷地の一部約2,500㎡を30人で共同購入してRC造の6階建ての共同住宅をつくりました。

エコヴィレッジ鶴川(全体鳥瞰図)

エコヴィレッジ鶴川(全体鳥瞰図)

企画と募集は(株)アンビエックス(代表・相根昭典氏)で、募集を始めて約半年で30世帯が決まり、その後建設組合を結成し、話し合いと設計に約1年、工事に約1年、入居は募集から2年半後となりました。工事中も管理規約の作成をはじめ総会の他様々な部会の会合があり述べ回数で100回以上も集まって相談をしたでしょうか、今考えてもよくやれたと思います。

参加者は40歳前後の若い人が多く、私のような60歳台がほとんどいなかったのは意外でした。小さいお子さんのいる家族の方が健康とかエコに敏感なのかもしれません。入居したときには全員がよく知り合った仲になっていましたので本当に暮らしやすいコミュニティになりました。

 

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集会室前広場で流しソーメン
外装は焼き杉の板

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我家のベランダからの景色、緑が多い

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外装の焼き杉板を自分達で焼いて磨く

 

■化学物質や電磁波に敏感な人たちも参加してきた

もう一つの大きな特徴は、アレルギー体質であったり、その疾患で悩んでいたり、化学物質や電磁波に敏感なために困っている人が3分の1程度を占めることです。その人たちは普通の仕様の住宅では暮らすのが難しく、鶴川に健康をテーマにした自由設計のマンションができるということで参加してきたのです。

私にはアレルギーはなく、話では聞いていましたが、一緒に住む人たちからいろいろな話を直接聞いて驚かされました。蛍光灯の下では暮らせない、電磁調理器は使えない、冷蔵庫が傍にあるとだめ、パソコンや携帯電話も使えない、無線LANは隣家が使っているのでもだめ、などは電磁波に敏感な人の話。合成洗剤で洗った洗濯物を外部に干されるとだめ、建材に合板を使うとホルムアルデヒドなどの化学物質で具合が悪くなる、化粧品や香水の匂いがだめ、煙にアレルギーがある、タバコの匂いがだめ、などは化学物質に敏感な人の話です。それらについても徹底して話し合い、建物や建材、設備の仕様を決め、生活のルールもまとめました。

■水を通さない密なコンクリート躯体を実現

構造躯体はできれば300年は持たせたい、という設計者の意向を受けて逆梁、外断熱工法とし、水分の少ない生コンを指定して強固なコンクリートを打ちました。

生コンの成分を厳密にチェック

生コンの成分を厳密にチェック

どの位密に打てたかはテストピースの強度試験だけでははっきりしなかったのですが、それを証明する事件が我家で起こりました。1年ほど前に、浴室の蛇口の取替えを自前でやったのですがジョイントの水密が悪かったらしく、壁内のジョイントから水が少しずつ漏れて知らないうちに床下に溜まっていたのです。1ヶ月後位に火災報知器の異常が我家の下の住戸で見つかり、調べてみたら天井の火報からポタポタと水が漏れているではないですか。これは我家が原因かと床下をのぞいてみたら何と浴室の床下を中心に深さ20センチ以上の水が溜まりプール状になっていたのです(逆梁ですから床下は60センチほどあります)。

結局溜まった水が行き場がなく、配線の隙間を伝って長時間かかって下の住戸の火報から漏れてきたのです。普通のマンションであれば例えば洗濯機から床下に水が漏れると、割りに早く下の住戸の天上から漏れてくると考えられます。しかし我家のコンクリートは全く水を通さないほど密にできていたということなのです。昔のコンクリートはすべてそうだったというのですが・・・。
■化学物質低減と電磁波対策を徹底

余談が長くなりましたが、健康のためにここでは、化学物質を含む建材を使用しないことを徹底しています。内装はむくの木材を中心に、漆喰や土壁や自然塗料を使用し、合板を排除しました。合板を使わないとなると普通のシステムキッチンや洗面化粧台が使えないので設計には苦労しました。電磁波にたいしては、IH調理器は使わず、電子レンジや無線LANは自粛、蛍光灯はやめて白熱球かLEDを選択しました。室内の電気配線から出る電磁波を低減するためにコンセントをアース付きにする、配線周りの電磁波をアースするという室内低周波対策は住人の希望に応じて最高の3レベルから1レベルまでの3段階から選べるようにし、我家は寝室だけを対策しました。

むくの木材や漆喰を主とする住戸内装例

むくの木材や漆喰を主とする住戸内装例

これだけ電磁波に配慮したマンションはめずらしいと思いますが、敏感なために徹底した対策をした4階の住人が入居してみたら窓から入ってくる携帯電話やテレビの電磁波で暮らせないという事態も生じました。彼女はその後特殊な金属を含むカーテンを輸入するなどして苦労の末暮らせるようになりました。

 

■夏の夜間冷気の利用

夏は、周辺にまだ緑が多く、夜間の外気温が結構下がるので、夜間冷熱を夜の内に壁天井に蓄冷して、昼間は窓を閉じて高温の外気を遮断し、なるべくエアコンを使わないような生活スタイルを心がけています。新築時に夜間外気を導入するファンダクトを特別に設計し、使用した時の内外の温度変化を示したのが(図1)です。

我が家の内外室温差(2007年夏期)

図1:我が家の内外室温差(2007年夏期)

2007年のすごく暑かった夏の例で、日中の外気温が36度を越えていますが、夜間は27度近くまで下がっています。この冷熱をファンで導入することで室内温度はエアコンを使わずに昼も夜も31度前後で安定しています。これは夜間蓄冷と室内熱容量の効果を示しています。その後ファンの送風量もっと大きくする必要があることがわかり、3年後に吸排気型ウィンドファンを北側の窓に追加設置しました。

最近追加したウインドファン

最近追加したウインドファン

今年もすごく暑かったのですがそのおかげで夜は何とかエアコン無しで過ごせています。マンション全体では約半数の住戸がエアコンなしの生活をしていたのですが、ここ2~3年の猛暑でエアコンを設置する人が増えました。温暖化が進んでいることを実感します。

■冬の省エネ⇒太陽熱をパッシブ利用

エコの面については、まず省エネですが、125ミリのロックウールで外断熱をしていますし、ベランダも躯体と熱絶縁し、窓は複層ガラス、屋上は菜園なので断熱性は非常によく、一地域(北海道)の推奨基準に適合するほどです。外断熱の良さは室内をコンクリートむき出し(漆喰塗りや塗装でも可)にすることで非常に熱容量の大きい、熱的に安定した室内環境をつくることができる点です。我家も壁、天井はすべてむき出しで、冬は昼間南からの太陽熱で壁、天井、床の一部に蓄熱して夜の熱放出で暖房を節約しています。薪ストーブも使用しますが、2~3時間燃やすとやはり躯体に蓄熱しますので消えてもその後数時間は暖かさが持続します。今年の冬は500Wの椅子式の電気コタツと廃木材を燃料とする薪ストーブと太陽熱で過ごし、エアコンやガス暖房機は使わずに済みました。

■太熱温水器の利用

太陽熱のアクティブ利用では、二重ガラス管型の「太陽熱温水器」を約半数の世帯が利用しています。屋上に設置した真空断熱されたガラス管で集熱し、そのまま管の中に温水が保存されるので温水タンクが不要である点がすぐれています。8本の管で約200Lのお湯を保存できます。

屋上に設置した太陽熱温水器

屋上に設置した太陽熱温水器

このお湯は夏場には80度以上の高温ですが給湯時には水道水を混ぜて50度程度にします。我家では高温のお湯を使いたいので別途に配管し、浴室に高温のお湯が出る蛇口をつけました。差し湯もできエネルギーの有効利用になりますが、小さい子供などが不用意に蛇口をひねれないようにしておかないとやけどの危険があります。太陽熱温水器のおかげでガスの使用量は大きく減って助かっています。

■屋上菜園はさまざま

建物の屋上はソーラー温水器と広場以外の場所はすべて菜園になっています。コンクリートブロック2個分の40センチの深さです。菜園は約30区画(10~15㎡)に分けられて最初は希望または抽選で全世帯が1区画ずつを保有しました。現在の耕作状況は、熱心に野菜を作っている人、花を植えている人、忙しくてほとんどやっていない人などさまざまです。屋上菜園は狭く、土量が少ない分むずかしく、皆さん土作りや連作障害の回避に苦労しています。もちろん無農薬、無化学肥料をめざしていて、秋には収穫祭を毎年やっています。

屋上菜園と広場

屋上菜園と広場

■手作りカーシェアリングを工夫

ここだからできている仕組の一つが「手づくりカーシェアリング」です。計画中に提案して、入居後に2台の車を持ち主に提供してもらい、シェアをしました。使用希望者はネット上のカレンダーに希望日時を記入し、当日保管ボックスから鍵を取って使用します。最初に記録票に出発時間と距離計の数字を記入し、使用終了時に時間と走行距離を記入します。料金は距離料金と時間料金の両方を合わせて計算する仕組で、記録票を会計担当のポストに入れておくと、月毎に料金が請求されます。

カーシェアの記事

カーシェアの記事

料金の設定にはいろいろ工夫して、短距離短時間は民間会社のカーシェアの料金、長距離長時間はレンタカーの料金を参考にし、いずれよりも安くなるようにしています。

私も車にあまり乗らなくなったので手放しましたがカーシェアがあるので経済的で本当に助かっています。車を減らすという効果もありますが、自分の車だとどこに行くにもすぐ使ってしまうのに、カーシェアだと使う前に判断が入るので、自転車になったり、電車になったりすることも多く、結果として各人の自動車使用が減るという結果が出ています。

記録票はすべて自己申告制なので相互の信頼関係がないと成り立ちません。普通のマンションでもやれるようにするためには、距離や時間が伝票で打ち出されてでてくるドライブメーターのような装置が開発されるといいのですが・・・・

 

 

 

 

■都市型コンポストトイレでエコな循環

エコのシンボルの一つとしてコンポストトイレも採用したいね、と皆で話し合ったのですが予算その他の問題で集会室につけるのをあきらめました。いくつかの住戸でも検討したのですが結局実際に設置したのは我家一戸だけになりました。

(左)コンポストトイレ内観(右)コンポストトイレ断面図

(左)コンポストトイレ内観(右)コンポストトイレ断面図

床下に微生物を含むオガクズの大きな分解発酵槽を入れなければなりませんが、幸い床下が60センチあったのでトイレの床を20センチあげるだけで納める事ができました。これは電気を使用して発酵槽の温度を上げて水分を蒸発させ、モーターを利用してオガクズをかきまぜるアクティブな都市型コンポストトイレで、自然農園などで使われる電気などを全く使わないパッシブなタイプとは違います。

電気を使うところがエコでなくて残念ですが、水を使わない、汚染物を外部に出さないという点は評価できます。また生ごみはほとんどこれで分解しますのでゴミも減ります。年4回位コンポスト化したオガクズをバケツ5~6杯取り出して菜園にいれると良い肥料になります。減らした分オガクズを足します。菜園の野菜を食べて、残りや排泄物が肥料になってまた野菜が育ついうエコな循環がささやかながら成立しています。

■コミュニティ活動とMLの効用

コミュニティ活動の中心は約76㎡の集会室とその前面の広場です。年間行事は、春の総会、夏の流しそうめん、秋の収穫祭、年末の餅つきと音楽祭、などが定例で、他に30人くらい居る子供たちのためのイベントとして、お花見会、カプラワークショップ、お泊り会、七夕の会、映写会、不要品持ち寄りリサイクル市などが随時あります。

集会室での持ち寄りパーティー

集会室での持ち寄りパーティー

毎月第一日曜の午前中は大掃除で全員で草取りや共用部の掃除をします。全員に知らせたいことは全員のML(メーリングリスト)に流します。これは便利で、常にいろんな情報が流れ今どんなことが起きているかが皆にわかります。

「実家から野菜が届いたので持って行ってください」
「不要なものが出たので使う人はいないか」
「食品や日用品を共同購入する人求む」
「しばらく旅行に行くので駐車場使ってください」
「どこそこに蛇や蜂が出たので注意してください」
「〇〇ということがわからないので知っている人はいますか」
「〇〇で困っているのですがアドバイスください」などなど、

相互に助け合う暮らしが成立しています。

130831_nakabayashi中林由行(なかばやし よしゆき)
1943年 熊本生れ、一級建築士。
1972年より(株)綜建築研究所 主宰。2008年に引退、現在は会長。
NPO法人 コーポラティブハウス全国推進協議会 副理事長。
一般社団法人 環境共生住宅推進協議会(kkj) 技術顧問。
現在は、コーポラティブハウス、エコハウス、高齢者のためのグループハウスなどの普及推進をはかるNPO関連で活動中。

近江八幡からの便りが届きました


今回は滋賀県、近江八幡の「「小舟木エコ村」の事業を担う「NPOエコ村ネットワーキング」副理事の飯田航さんからお便りをいただきました。

小舟木エコ村は近江八幡駅から2km、琵琶湖から3kmに位置する15haの計画地に約370世帯による環境共生型の暮らしを実践するために開発された、民間の環境共生型コミュニティです。

2011年には、この地域の環境共生住宅のモデルハウスとして、「近江八幡エコハウス(環境省補助事業)」がオープンしました。環境共生型の暮らしを無理なく始められる場所として、国内外からの視察も多く訪れるそうです。

お便りの中では、小舟木エコ村だけでなく、今年の6月にオープンしたばかりの「小舟木ミネルギーハウス」の取組みについてもご紹介いただいています。

詳しくは「近江八幡からの便り Vol.1」をご覧ください。

能代からの便りが届きました


東北日本海側北部の夏の家づくりについて、建築家の西方里見さんからお便りをいただきました。

自身のご自宅とアトリエを例にあげて、東北でも日本海側、さらに北部に位置する秋田県能代市での夏を涼しくすごすための家づくりの工夫を丁寧にご紹介いただいています。

西方さんはご自身でも「最高の断熱・エコ住宅をつくる方法」「「外断熱」が危ない」「プロとして恥をかかないためのゼロエネルギーのつくり方」といった著書を出されており、ご興味のある方は本の方も合わせてご覧ください。

詳しくは、「東北日本海側北部の夏をすごす」をどうぞ。

被災地からの便りが届きました

アサイド


FPコーポレーションの門田さんから、住宅・建築物省CO2先導事業の「平成23年度 第3回 特定被災区域部門」における〔住宅(戸建住宅)〕採択を受けるまでの経緯とその後の進捗についてのお便りをいただきました。

地域が広範囲にまたがるため、今回のお便りは「被災地からの便り」とさせていただきました。

東日本大震災後に建てられた東北地域の仮設住宅や、仮の住まいではない、被災地域における新しい住まいづくりの現状について報告いただいています。

詳しくは「被災地からの便り Vol.1」をご覧ください。

高知からの便りが届きました

アサイド


皆さんは「土佐派」という設計集団をご存知でしょうか?
「土佐派」は、高知(土佐)ならではの気候風土や地形、そして自然災害に対応した伝統的な住まいへの知恵を活かし、現代の住まいや建物を生みだしている設計集団です。
数年前には、当協議会(kkj)の見学会で、「土佐派の建築」を見学に行きました。

土佐の伝統的な住まいの特徴として、高い床、低い棟、深い軒、分棟型で小さい急勾配(5寸)の屋根、外壁は土佐漆喰の白とスギ板壁の黒、開口部はダブルスキンの建具で、雨戸の裏側に敷居の下から風圧を入れて内外を等圧にするといった事項があげられます。
高知県の中には、こういった特徴をもった100年を越える伝統の家々があちこちに残存しており、荒い気象への対応の知恵を今に伝えてるそうです。

今回はその土佐派の長とも言える、山本長水さんからお便りをいただきました。
詳しくは「高知からの便り Vol.1 『土佐の夏の住まい』」をご覧ください。

鹿児島からの便りが届きました

アサイド


夏真っ盛りの鹿児島から、夏の便りが届きました。

今回は、北海道から一転南に飛び、真夏日(最高気温30度以上)が今年に入って36日を超えているという鹿児島県鹿児島市で、蒸暑地域における省エネで環境にやさしく家計にも優しい住まいづくりに取り組んでいるヤマサハウス(山佐産業)の森さんからお便りをいただきました。

国土交通省の補助事業である、『住宅・建築物省CO2先導事業』において、
平成23年度に採択された「かごしまの地域型省CO2エコハウス」での提案内容を中心に、
蒸暑地域・鹿児島ならではの住まいづくりや住まい方を紹介していただいています。

詳しくは「鹿児島からの便り」をご覧ください。

鹿児島からの便り Vol.1

北海道からの便りが届きました

アサイド


日本最北の北海道から、夏の便りが届きました。

今回は今年で竣工後3年を迎える「下川町環境共生型モデル住宅美桑」の設計者の
櫻井百子さんからのお便りです。

下川町環境共生住宅型モデル住宅美桑は、「環境省21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」で採択されたモデル住宅で、体験宿泊も可能です。

最北の地域における環境と共生する住まいづくりの工夫の他に、北海道ならではの春から夏にかけての暮らしぶりも伺える内容になっています。

詳しくは「北海道からの便り」をご覧ください。

北海道からの便り Vol.1

愛媛からの便りが届きました

アサイド


四国は愛媛県高知市から、夏の便りが届きました。

今回は、2012年度、国土交通省の補助事業である「住宅・建築物省CO2先導事業」の採択を受けた「えひめの風土と生きる家〜次世代につなぐ地域連携型LCCM住宅※〜」を中心に、
その事業者である新日本建設の村上さんから、愛媛ならではの環境と共生する住まいづくりについてお便りをいただきました。

※LCCM住宅(ライフ サイクル カーボン マイナス住宅)とは、住宅の建設時から運用時、
廃棄時においてのCO2収支をマイナスにしようとする住宅のことです。

詳しくは「愛媛からの便り」をご覧ください。

愛媛からの便り Vol.1

地域からの便りをリニューアルしました


 

『地域からの便り』は2007年から、日本・世界の各地域にお住まいの方から、環境と共生する暮らしの風景をお寄せいただいて参りました。5年目の今年はブログのリニューアルを行い、国内を限定に新たな連載を開始します。

今回は「環境と共生する住まいづくりの専門家」を中心に、ご寄稿をお願いしました。

国土交通省による『住宅・建築物 省CO2先導事業』の住宅部門や特定被災区域部門の採択事業者から、環境省による『エコハウス21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業』の採択事業者の他、国産材の普及促進やコーポラティブ方式によるエコハウスの居住者等、地域の環境に根ざした住宅づくりのプロフェッショナルからのデータ等に基づく便りは、2011年まで連載してきた居住者の方からのお便りとはまた違った視点で構成されると思います。

地域は沖縄県那覇市、鹿児島県鹿児島市、山口県下関市、愛媛県松山市、滋賀県近江八幡市、神奈川県横浜市、東京都町田市、東北地方(岩手県、宮城県、福島県)、秋田県能代市、北海道下川町の計10箇所です。

夏は7月~8月、冬は1月~3月と期間を限定してお届けします。
第1弾として、「沖縄からの便りVol.1」を本日、公開しました。

この連載を通じて、環境と共生する住まいづくりを考えていらっしゃる皆さまや、すでに取り組まれている皆さまの情報交流にもつながり、さらに環境と共生する住まいやまちづくり、そして、そこに暮らす人が少しでも増えていくことを願っております。

2013年7月1日
一般社団法人 環境共生住宅推進協議会
http://www.kkj.or.jp

近江八幡からの便り Vol.1


はじめまして。湖国・滋賀からの便りを担当させて頂きます飯田 航と申します。滋賀県近江八幡からの便りをお届けいたします。

琵琶湖を抱える滋賀県では、環境問題に対して様々な活動が展開しています。そのひとつに、近江八幡市域で事業化された、民間の環境共生型のコミュニティづくり、「小舟木エコ村」があります。

小舟木エコ村マスタープラン

小舟木エコ村マスタープラン

JR東海道線近江八幡駅から約2km、琵琶湖から3kmに位置する15haの計画地に、約370世帯が環境共生型の暮らしを実践するコミュニティを開発するプロジェクトです。平均72坪という比較的恵まれた敷地と、「小舟木エコ村風景づくり協定」として家庭菜園や雨水タンク、省エネルギー建築の建設などが入居者同士の約束事として定められている点が特長となっています。

小舟木エコ村の立地。農村と都市の結節点にある。

小舟木エコ村の立地。農村と都市の結節点にある。

各家庭の取り組みがまちの「風景」となっている。

各家庭の取り組みがまちの「風景」となっている。

2000年にはじまったNPOエコ村ネットワーキングによる構想段階から2008年のまちびらきを経て、5年が経過したところです。入居者世帯数は340を数え、住民管理によるセンターエリアをはじめ、各家庭の緑も育ち、徐々にエコ村らしい風景が育ってきました。夏場は立派なグリーンカーテンを多くの家庭で目にすることができます。

世代を超えて、環境共生型ライフスタイルに取り組む。

世代を超えて、環境共生型ライフスタイルに取り組む。

住民管理によるセンターエリア。集いの場となっている。

住民管理によるセンターエリア。集いの場となっている。

2011年にはこの地域の環境共生住宅のモデルハウスとして、近江八幡エコハウス(環境省補助事業)がオープンし、環境意識の芽生えたばかりの家庭でも、無理なく始められるエコビレッジのひとつのカタチとして、国内外から視察の方がお越しになっています。

今日は、その一画に今年6月末に竣工を迎えた「小舟木ミネルギーハウス」の取り組みをご紹介したいと思います。

深い軒で日射遮蔽を考慮した南面外観。

深い軒で日射遮蔽を考慮した南面外観。

「ミネルギー」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、ヨーロッパのスイスで推進されている省エネ建築の認証基準です。Minimum(最小)とEnergie(エネルギー)が組合わさった造語がMinergieで、日本の「CASBEE」、アメリカUSGBCの「LEED」、そして日本でも知名度が高いドイツの「パッシブハウス」などと同様に、建物の環境性能を評価する仕組みのひとつです。

「ミネルギー」の特長は、対象となる新築住宅の暖房や冷房、給湯の消費エネルギー量に厳しい制約が課されるとともに、そのエネルギーの由来についても問われる点にあります。基準を達成するために、断熱性能や気密性能の向上に加えて、太陽熱や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーの導入を施主や設計士に促すような制度設計がなされています。

更に上位の認証基準として、熱交換換気装置や再生可能エネルギーの導入が義務付けられ、化石資源消費量の削減を目指した「ミネルギー・P(ペー)」が設定されています。

また、化石資源を極力使用しない建材や施工プロセスの環境性能評価をおこなう「ECO」というレーベルにより、建物のライフサイクル全体について、より環境や健康に配慮した建物の認証制度が一体的に運用されています。

このふたつが組合わさった「ミネルギー・P ECO」認証を、夏季に高温多湿型の日本で初めて獲得しようと始まったのが、「小舟木ミネルギーハウス」です。

よしずで日射遮蔽をおこなっている西面外観。

よしずで日射遮蔽をおこなっている西面外観。

「小舟木ミネルギーハウス」の最大の特長は、「透質する壁構造」です。室内から外気への水蒸気の移動を可能にすることで、防湿シートや調湿シートに頼らずに、壁内の結露やカビ発生リスクの低減を試みています。

滋賀のように夏と冬で水蒸気の流入方向が逆転するような気候では、水蒸気をとおしにくい防湿シートによって壁内結露を防ぐ方法は採用が難しいため、適切な調湿性シートの選択と施工方法の選択が不可欠となります。設計はもちろんのこと、最終的には現場の職人さんの「腕」や「経験」に負う部分が、ますます大きくなっている状況です。

そこで、逆に防湿層を設けない壁構成とし、材料試験による物性値と、アメダスデータによる実大実験にもとづくシミュレーションをおこない、施工精度のバラツキを理由とする結露リスクを極力排除するアプローチをとっています。

基本的な層の構成は、室内側から仕上げ、①下地、②構造体、③断熱材、④外装となっています。下地の粘土パネルは蓄熱性能や調湿性能を有しており、室内の温度や水蒸気量の変化を軽減する役割が期待できます。構造体は間伐材による木質パネル(リグノトレンド)で高い剛性と施工性を両立しています。断熱材はカラマツを主原料とした木質繊維断熱材で、製造時のエネルギー消費量が少なく、透質性能に優れたものです。外貼断熱の構成で、気密は透湿防水シートを用いています。仕上げは建築によって自由ですが、今回は通気層を設けたうえで、杉板貼りとしています。丁度、断熱が施された土蔵のような建物、というイメージして頂きやすいかもしれません。

壁の基本構成。透質抵抗の低い材料のみを選定している。

壁の基本構成。透質抵抗の低い材料のみを選定している。

WUFIによるシミュレーション(キャプチャ画像)

WUFIによるシミュレーション(キャプチャ画像)

ここに、トリプルガラスの木製サッシ、熱交換型換気システムを組み合わせることで、約30坪の居室全体の空調を4kwのヒートポンプ1台で賄うことができています。太陽熱利用ガス給湯器(集熱パネル4㎡)と太陽光発電パネル4.29kwを組み合わせることで、空調・換気・給湯の年間一次エネルギー消費量が30kWh/m2・年を達成する見込となっています。今後、壁内と室内に仕込まれた温室度のセンサーにより、熱や水蒸気の挙動をモニタリングの結果に基づき、ミネルギー・P ECOの認証作業が予定されています。

1階リビング。壁は土塗仕上。右は冷暖房用ラジエーター

1階リビング。壁は土塗仕上。右は冷暖房用ラジエーター

冷水運転時のラジエーター結露水。除湿性能は穏やか。

冷水運転時のラジエーター結露水。除湿性能は穏やか。

 

 

 

 

 

 

 

2階居室。国産スギを活用した木製サッシ(PAZEN社製)。

2階居室。国産スギを活用した木製サッシ(PAZEN社製)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小屋裏に設置された熱交換型換気システム(ConfoAir)。

小屋裏に設置された熱交換型換気システム(ConfoAir)。

入居してから間もないため、詳細なリポートは難しいのですが、この夏の電力消費量は1ヶ月で350kWh〜400kWh程度になりそうです。発電量が550kWh程度なので、発電量が上回る結果となっています。また、給湯はほぼ太陽熱で賄うことができ、ガス消費量は1.8㎥と、ほぼ調理分のみと非常に少なく済んでいます。私自身は、ガス代や電気代を気にせずにシャワーをたくさんあびることができる太陽熱利用ガス給湯器を大変気に入っています。

次回、冬のリポートでは、家の建設プロセスや、冬の消費エネルギー量についての報告ができればと思っています。

(※筆者注:小舟木ミネルギーハウスは、2013年8月現在、ミネルギー・P ECOの認証手続中で、取得には至っておりません。)

飯田氏近影飯田 航(いいだ わたる)

株式会社プラネットリビング勤務。1978年長野県諏訪市生まれ。東京農工大学農学部卒。卒業後「小舟木エコ村」の事業化に携わり、事業会社である株式会社地球の芽取締役を務めた後、現職。2008年より特定非営利活動法人エコ村ネットワーキング副理事長。

能代からの便りvol.1 『東北日本海側北部の夏をすごす』


今年の夏・例年の夏

今年の東北日本海側北部の夏は凌ぎやすかった。最高気温は32℃程度で、35℃以上にはならなかった。例年の夏は35℃前後が数日、30℃以上が1週間程度で、エアコンが欲しいのは1週間程度である。温暖化と言うが、その逆のようだ。冬は最低気温が零下7℃から零下10℃になり真冬日が増えている。積雪量も30cmから60cm程度に増えている。

自宅=築30年の夏に涼しく冬に寒い家の今夏

私の自宅は高断熱・高気密住宅でない木造在来工。壁・屋根・床:グラスウール(GW)10k厚100mm。窓:単板木製窓。未だ施工技術が無かった。

高断熱・高気密住宅でない木造在来工。壁・屋根・床:グラスウール(GW)10k厚100mm。窓:単板木製窓。未だ施工技術が無かった。

自宅:高断熱・高気密住宅でない木造在来工。単板木製窓。未だ施工技術が無かった。

寝苦しい夜は5夜ほどであった。2夜はパンツ一丁の裸で大きな掃出し戸の側で寝た。
自宅でのエアコン使用は暑さのための冷房の意味合いより梅雨がいつもより長く湿度が高いので洗濯物の乾燥やカビ防止の除湿に使った。
自宅がエアコン冷房に頼らなくても良いのは、網戸付きの大きな開口部を主体に風通しが良いのと、庇が4尺と長く日射遮蔽が有効なのと、横殴りの日射には簾で対応している。又、外壁が板張りで、モルタル塗りや窯業系サイディングと違い日射による蓄熱量が少なく、室内への再放射が少ない。

■芝置屋根のアトリエ=築21年の夏に涼しく冬に暖かい家の今夏

自身のアトリエの特色は芝置屋根と外付ブラインドであり、共に日射遮蔽に有効である。

高断熱・高気密住宅の木造在来工法。壁:高性能GW100mm、屋根:高性能GW200mm、基礎:基礎断熱押出し法発泡ポリスチレンB3厚50mm。窓:ブラインド内蔵木製サッシペアガラス+1、木製サッシArLow-Eペアガラス。3種換気。外付ブラインド。

芝置屋根のアトリエ

アトリエは設計事務所の仕事場なので蒸暑を我慢する事なく、不快な蒸暑時には快適に仕事をするためにエアコン冷房である。その他の時期は外付ブラインドで日射遮蔽しながら窓を開け通風をする。

41.5坪のワンルームを木造住宅12畳用3.6kWの家庭用エアコン1台で弱風運転の冷房をしている。人に冷風が直接に当たらなく、室内の温度は27℃で快適である。室内の冷房負荷付加になる熱が出る機器は、複写機、パソコンが5台、冷蔵庫、給湯器、照明器具がある。冷房の電気代は7月と8月の蒸暑時に月に1万円前後と少ない。

この省エネは高断熱高気密住宅である事と、芝置屋根と外付ブラインドと外装の杉板張りによる徹底した日射遮蔽による。

・日射遮蔽−1 芝置屋根

アトリエの芝置屋根

アトリエの芝置屋根:アップルミントやヨモギなどの野草とススキが藪をなす。

芝置屋根の土は基礎の残土を再利用し厚さ200mmで、その上の植物はアップルミントやヨモギなどの野草とススキの薮である。

芝置屋根に生えるイチハツの花

芝置屋根に生えるイチハツの花

ススキは高さが1.5mほどになる。それらの合間に、イチハツ(写真)やカンゾウやスイセンなどが花開く。たまには枝前やカボチャを植える。

瓦屋根や鉄板屋根では日射を受け70℃前後の高い温度になるが、土の中の温度は28℃から30℃で安定している。その下に厚200mmの断熱材があり、室内の屋根なりの天井の表面温度は28℃と低い。室温が27℃だから温度差は1℃しかなく極めて輻射熱が少なく快適である。

・日射遮蔽−2 外付ブラインド・内蔵ブラインド

南側の大きな開口群からの日射熱は極めて大きく、日射透過率45%の日射遮蔽ガラスを使っているが、日射が少ない冬の30分ほどの日射でもオーバーヒートしてしまう。

 

朝顔による日射遮蔽

朝顔による日射遮蔽

夏を凌ぎやすくするには窓の日射遮蔽が重要である。外付ブラインドの設置前は朝顔で日射遮蔽(写真上)をしていたが、1階の窓が朝顔の葉で覆われるのは8月下旬で、それまでは日射遮蔽の役目は十分でなかった。7月になるように朝顔の種を早く植えると寒さで枯れてしまった。美観的には申し分ないが、上記の理由から外付ブラインド(写真下)を設置した。

外付けブラインド

外付けブラインド

西側の窓はブラインド内蔵木製サッシ(写真下)で西日の遮蔽をしている。室内側のペアの外側にブラインドが内蔵され、更にその外側にガラスがもう1枚セットされている。ブラインドの室内側の熱がペアガラスで遮られる。

西側の窓に設置した内臓木製サッシ

西側の窓に設置した内臓木製サッシ

外付ブラインドが無い場合の窓の日射遮蔽ガラスの室内側表面温度は約31℃であり、ある場合の表面温度は約28℃である。室温が27℃だから窓からの輻射との温度差は1℃しかなく極めて少なく快適である。

・日射遮蔽−3 鎧張り杉板外装

比重の軽い杉板と鎧張りの重ねの空隙で日射遮蔽ができ、外壁の日射による蓄熱が防げ、室内への再放熱が少ない。壁中の断熱材と共に遮熱と断熱で室内の南側の壁の表面温度は28℃と低く、極めて輻射熱が少なく快適である。

・冷地熱の利用 

基礎断熱なので冷地熱が床下の土間コンクリートに伝わり、温度は23℃前後の低い温度で安定している。その上の床面の温度も24℃前後で室温の27℃よりも低く心地よい冷輻射になっている。昼寝などで床面に直に寝そべると体が冷えてしまう。

130828nisikata西方里見(にしかた さとみ)

1951年秋田県能代市生まれ。1975年室蘭工業大学工学部建築工学科卒業後、青野環境設計研究所を経て、1983年西方設計工房開設。
2004年設計チーム木(協)代表理事。
2013年 建築知識700号記念「日本の住宅を変えた50人+α」に選定。
著書は最高の断熱・エコ住宅をつくる方法」「「外断熱」が危ない」「プロとして恥をかかないためのゼロエネルギーのつくり方」等がある。

◇バックナンバー
・能代からの便りVol.1 『東北日本海側北部の夏をすごす』
能代からの便りVol.2 『東北日本海側北部の冬をすごす』
能代からの便りVol.3 『東北日本海側北部の寒冷住宅の夏は窓の日射遮蔽』
能代からの便りvol.4 『世界基準にのりにくい裏日本北部の冬の極小日射地域』