沖縄からの便りVol.2


常夏の楽園のイメージがありますが、沖縄にも冬がやってきました。沖縄の冬は、暖かいと思いますか?

沖縄の冬ってどのくらい暖かいの?

一般的に沖縄の冬は12~3月のことを指します。

沖縄気温

沖縄風向

それでも平均気温は、12月・1月は17℃、2月が19℃、3月が20℃前後あります。もちろん晴れて天気のいい日は、冬であろうとまるで初夏のような日差しが降り注ぎます。そうなれば、車の中は暑くてエアコンをつけたり、Tシャツ1枚になったりすることもあります。

と言っても、基本的に冬の沖縄は曇りや雨の日が多く、あわいブルーの空に覆われています。

沖縄の冬の空

沖縄の冬の空:事務所の前から

そして、冬の時期の沖縄の気候の特徴は、なんといっても北東の風の影響です。
海から吹き付けるこの北東の風は、最大で約15m/sにもなります。

1m/sで体感気温は1度下がるといわれているので、実際17℃でも体感温度は2℃になり、ぐんと寒く感じさせるのです。

それでも、室内は風が入らない限り寒くはないので暖房はあまり使用しません。

自立循環型住宅への設計ガイドライン蒸暑地版より

自立循環型住宅への設計ガイドライン蒸暑地版より

 

沖縄で冬に暖房をつけたくなるほど寒い日は、一冬に数日間と言われていますので、本土の冬の寒さと比べればもちろん格段に暖かいことは間違いないのですが、悪天候の冬の沖縄ではそれほど暖かさは望めません。

結露と断熱材について

室内の環境はどうなっているでしょう。温度だけでなく、湿度にも着目してみました。
ここ数日、夜中になると喉が痛く乾燥しているように感じていました。
昨年、住んでいるアパートの温湿度を1年間測定しました。
1月から3月までの平均湿度は78.3%で最低湿度も48%です。
湿度は40~60%であれば快適なので、加湿する必要はないのですが、夏の蒸し暑さを比べると乾燥しているように感じてしまうのかもしれません。
多湿なはずの沖縄でも、加湿器が販売されていて、実際使用されている方も結構います。
60%以下になったら使います、いう声もありました。

春夏秋は、除湿に全力をそそぎ、冬になったとたん加湿に移行するという、なんだか府に落ちない循環です。
加湿で一番気になるのは、カビです。実は先日、我が家で見つけてしまいました。玄関の壁にカビがびっしり生えていました。

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RC造の住宅だと、耐熱性の大きいコンクリートが夜中に冷え、そこに昼間窓を開けると、湿った暖かい空気があたり一気に結露し、カビになったのではないかと思います。

沖縄の結露は、RC造の場合次の場合に起こります。

  1. 夏:夕方冷房をつけ、眠る前に窓を開ける。→室内の冷えたコンクリートの壁に外気の湿った空気があたり結露する。
  2. 冬または春先:比較的寒い日が続き、暖かくなった時に風を室内に入れる。→室内の冷えたRCの壁に外気の湿った空気があたり結露する。
  3. 冬:雨の日に、鍋をする。→室内の温度と湿度があがり、外が比較的寒いと結露する。

この結露を防ぐには、室内側に断熱材を張るなどの仕上げが必要となりますが、この断熱材の使用方法も、沖縄での基準があります。

改正省エネ法によって、省エネルギー区分がⅥ地域に指定されていましたが、8地域になりました。そこでは、8地域に該当する沖縄県の壁の断熱は必ずしも必要ではない、という内容に改正されました。

室温と外気温が近い状態の環境の方が、省エネに関しても有効だということです。

たとえば、夏の不在宅時に窓もしめきったままにすると、熱が内部に蓄熱されて帰宅時には40℃近い室温になってしまいます。そこで熱を放とうとしようにも、断熱していればうまく放出できない状態になります。

断熱したからには、その熱を放出する大きな開口または換気システムが必要になります。

それよりも、不在時に外気と同じ室温になるようなしくみをつくって、壁の断熱材を省いた方がよりスマートなのかもしれません。

今までは高気密・高断熱が主流でしたが、これから必要とされる省エネ技術は、自然環境とのハイタッチが重要なポイントになると思います。

1月にさくら祭り(※1)、そしてひまわりも満開になる(※2)という沖縄ですが、この気候に合った省エネ技術やライフスタイルを探していきたいと思います。

 

冬の沖縄は、観光シーズンから離れて格安ですが、ホエールワッチングや世界遺産めぐりなど色々楽しめます。

もちろん、曇っていても海の色は青いです。幸運にも晴れたときは、日焼けを気にせずに、軽く海水浴もできるかもしれません。

沖縄の冬の海

沖縄の冬の海

遊びに来た際には、当事務所にもお気軽にお立ち寄りください。

以上、沖縄からでした。

 

※1 名護さくら祭り(2014年は1/25、26に開催予定)
http://kanko.city.nago.okinawa.jp/event/sakura2013.html#

※2 沖縄・中城のひまわり畑(平年は1月後半から2月前半に見ごろを迎える)
http://www.okinawainfo.net/himawari.htm

DSC_0749「沖縄からの便り」特派員
松田まり子(NPO蒸暑地域住まいの研究会)
1977年沖縄県那覇市生まれ。2000年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。卒業後、沖縄県内設計事務所および東京都内の設計事務所、デベロッパー勤務。2010年より特定非営利活動法人蒸暑地域住まいの研究会理事に就任。現在特定非営利活動法人蒸暑地域住まいの研究会理事長。