ラスベガスからの便り  vol.1『ラスベガスで家を買う』


はじめましてクラトウです。
ラスベガスは皆さんもご存知のとおり、世界中に知れたカジノの町です。

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四季はないに等しく、夏が終わったと思ったら、冬と言う感じです。
今はハロウィンが終わり、サンクスギビング、クリスマスと迫り、ホリディシーズン突入です。

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私たち家族が、この町に引っ越したのは。5年前の冬です。カリフォルニア、ロサンゼルスはそのころ、不動産ブームで、家の購入がとても難しかったのです。私の妊娠を機に、主人が家の購入を考え、ロサンゼルスで家探しを始めたのですが、私たちの住んでいたベニスビーチは家がとても高かったのです。
他のビーチシティに比べたら安かったのですが、家はほとんどがミリオン(1億円)を越える物件ばかり、1950年建てた、リモデルの2LDK、路上駐車の物件ですら、ミリオンを超えていました。
コンド(日本で言うマンション)もハーフミリオン(5000万円)以上のものばかりでした。
他の地域でもロサンゼルスではほとんど手が出ませんでした。

そんな時、旅行で何度も来たことのあるラスベガスに、また遊びに行くことになり、家の主人は何を思ったか、家を見ようと言い出したのです。
そのとき、主人はこの家を気に入り、即購入を決めたのです。3LDK+Denで、3バス1900スクエアフィート(176.5%uE38EA1)この広さで4000万弱、カリフォルニアに比べるとかなり安い、ローンはかなりの額でしたが、何とかなると思い購入を決めたのです。(家の間取り、写真などは次回紹介したいと思います。)
その頃は、誰も不動産の暴落を予想してませんでした。
もちろん、私は日本でバブルを経験しているので、口をすっぱくして言いましたが、持ち家の夢はあきらめられなかったようです。日本で言うなら、東京で家が買えないから、仙台で買うとか、そういったところでしょうか?

このコラムのテーマ、家探しですが、そのときは不動産屋さんの手を借りて、大体の予算とエリアにあった物件をあらかじめ探してもらい、1軒づつ、見て回るというかんじでした。不動産屋への仲介料は値段の6%売り手が払います。
アメリカでは新築物件を買うよりも中古物件を買うほうが一般的で、おおよそ5−7年周期でみんな引越しをしているようです。日本人のような“終の棲家”を買うという考えはないようです。仕事や家族構成などを考え、住み替えていくのが主流なようです。
もちろんラスベガスは新しい町で、ここ10年ぐらいでどんどん家が建ち、新築物件もたくさんあります。ほとんどが建売住宅で、ハウジング会社が立てているものを買うような形です。古いベニスビーチの、いろいろと家に個性が出ていてとても素敵な町並みとは違い、横も前も同じような家が立ち並んでいる感じです。

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近隣のコンドミニアム

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近隣の住宅

結婚、出産、家庭を持つまでは、家探しも楽でした。
もちろん賃貸、自分のことのみ考えればよかったのですから。仕事先との距離、アパートの広さ、エリアの良し悪し、家賃で決めればよかったのです。これは日本でも同じではないでしょうか?ただ、日本との違いは、ルームレントやルームシェア、ゲストハウスレントと、アパートレント以外にもいろんな選択肢があると言うことです。もちろんルームレントなどは家具付きも多々あるので、トランク一つで日本から出てきたばかりのときは、とても便利でした。

家族(子供付き)となると、これに学校区というのが絡んできます。購入となると、賃貸以上に引越しも、そう簡単にはできません。学校区が家探しのトップ項目にあがることが多いです。
こちらでは、引越しシーズンは夏です。ちょうど学校のロングサマーブレークがあり、ちょうど学校も学年が変わるので、その頃に引越しが多いようです。(日本で言うと3月末かな)

さて、私たちが買ったものは、2001年建設の中古の物件です。
ここ、ラスベガスはコミュニティー単位の物件が多く、私たちが購入したものも、ゲートコミュニティ内(250件程度)の物件でした。

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コミュニティーエントランスゲート

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我が家

このコミュニティーにはプール、公園、テニスコート、バスケットボールコートがあり、24時間のセキュリティーがコミュニティー内を回っています。あとは前庭の手入れもしてくれます。(そのかわり自分の好きなようにできませんが)

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プール

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公園

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テニスコート

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バスケットボールコート

それで、ホームオーナーアソシエーションフィー(共益費)もそれなりに、高いのですが。他のコミュニティーでは、ゲートがないところ、施設の付いてないところなど、そのコミュニティーによって共益費も変わってきます。

今回のコラム、家探しがテーマでしたが、私たちはこの2005年の家探しは、ほとんど思いつきで引っ越したため、失敗でした。まぁ、時期が悪かったと言えば、それまでですが。この失敗を糧に、また今回、引越しするのですが、
カリフォルニアに戻る計画をしています。今回は購入はあきらめ、また賃貸に戻ります。カリフォルニアでは賃貸でも家賃がこちらのローン以上です。

さて、話は代わり、こちらでの家に関するエコですが
ラスベガスは日差しが強く、太陽熱を電力に代えて使っている家がかなりあります。
私のお友達の家も新築なのですが、地元の電力会社と契約していて、だいぶ助かっているようです。
こちらの夏はとても暑く45℃以上になることもあります。なので夏のエアコン代金は相当なものです。
こちらはセントラルエアコンなので、日本のように1部屋づつ、涼しくすると言うこともできません。
(私たちの感覚で言うと、使っていない部屋も冷暖房するので、とても、もったいないと思うのですが)

屋根にパネルがついている家々
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8年ほど前にロサンゼルスの建築事務所に居るときに、家のリモデルをするときに、計算したことがありますが、そのときは、装置をつける費用(電飾会社から補助も出る)と、電気ができていくら節約できるかを計算して15年経っても、もとがとれないということで、オーナーが設置をあきらめることにしました。
今では装置も安くなっているのでしょうか、ラスベガスの日差しはロサンゼルスよりも多いのか、こちらではかなり見かけます。

★『ラスベガスからの便り』
特派員:蔵藤 KAVANDI 奈穂美(一級建築士・1級施工監理技師)
日本でゼネコン設計部を退職後、1999年よりアメリカロサンゼルスにて設計事務所勤務。
娘の出産を機に、専業主婦に。現在はラスベガス在住。4歳と0歳の娘の母。