皆様、はじめまして、山佐産業株式会社の森と申します。今回は鹿児島県鹿児島市からの便りをお送りいたします。
鹿児島も夏真っ盛りで熱帯夜が続いています。真夏日(最高気温30度以上)も今年に入って36日を超えています。
ところで、先日、4年に一度の国際火山学地球内部化学協会が鹿児島で行われましたが、鹿児島といえば桜島を思い浮かべられるのではないでしょうか?
鹿児島のシンボルである雄大な桜島は、錦江湾の中の活火山の島でしたが、大正3年(1914年)の大爆発により、30億トンもの溶岩によって大隅半島と陸続きになって現在に至っています。昨年の1年間の爆発回数は885回と1日に2~3回の爆発をし、風向きの関係から夏場は薩摩半島に冬場は大隅半島に火山灰が降り積ります。
また、鹿児島と言えば「台風銀座」と言われるほど、毎年のように台風が接近したり、時には上陸し、風や豪雨により多大な被害をおよぼします。私が体験した台風では高圧鉄塔が倒れたり、何メートルにもおよび電柱が倒れるほどの被害が発生した時には、瓦は勿論のこと屋根自体が飛び大被害により復旧作業に追われたことを今でも覚えております。
その他にも鹿児島はシロアリの繁殖が多く、被害も多い地域と言われている上に、山を造成しての宅地が多いためヤマトシロアリやイエシロアリの生育に適しているようです。
また、日本本土最南端の県として蒸暑地と言われ湿度の高い蒸し暑い地域特性を考慮した住まいづくりが求められています。
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まず、はじめに弊社の事業活動を紹介させて頂きます。
総合建設業として昭和23年に創業し、65年を迎えますが、大きく住宅部・土木部・建築部の三部門で活動しております。その中の住宅部を「ヤマサハウス」の称号で県内で木造注文住宅を主に年間200棟前後建築させていただき、地域に根差した家づくりに取り組んでおります。
そんな中、蒸暑地域における省エネで環境にやさしく家計にも優しい住まいづくりに取り組んでおり、平成23年度の国土交通省の補助事業である、『住宅・建築物省CO2先導事業』に「かごしまの地域型省CO2エコハウス」が採択されました。その「かごしまの地域型省CO2エコハウス」提案内容を説明させてもらいながら蒸暑地の住まい方を紹介していきたいと思います。
まず、はじめに、弊社の木造住宅を作りながら環境貢献としての取り組みとしてLCCMプロジェクトを推進しております。
地球環境や地域環境のことを考えると、CO2を削減しなければいけないことや節電が大切なことは分かっているけど実行するのは、難しいのでは?無理をしなければいけないのでは?お金がかかるのでは?などいろいろと考えられるのではありませんか?
だからこそ、私たちは家づくりの時こそ無理なく省エネできる暮らしをを手に入れるチャンスと考え、住むだけでエコ!な、そしてCO2削減&省エネ&家計に優しい住まいを創りました。
地球環境や地域環境のことを考えると、CO2を削減しなければいけないことや節電が大切なことは分かっているけど実行するのは、難しいのでは?無理をしなければいけないのでは?お金がかかるのでは?などいろいろと考えられるのではありませんか?
だからこそ、私たちは家づくりの時こそ無理なく省エネできる暮らしを手に入れるチャンスと考え、住むだけでエコ!な、そしてCO2削減&省エネ&家計に優しい住まいを創りました。
それではもう少し具体的に建物の提案内容について紹介いたします。
大きくポイントを4つに絞ってみました。
ポイント1:使うエネルギーが少ない
ポイント2:使うエネルギーは創る
ポイント3:自然エネルギーを使う
ポイント4:エネルギーが見える
それぞれのポイントは如何に無理なく、つくる時も暮らす間も蒸暑地かごしまでエコにつながるかを考えた住まいへの取り組みです。
ポイント1は蒸暑地かごしまに適した、「省エネ」の住まい。気候・風土に合わせた無駄なエネルギーを使わない建物性能向上への取り組み!(※全体図の1~7)
ポイント2は自然のエネルギーを活用した、「創エネ」の住まい。家づくりは建築費+生活費のトータルコストで考え光熱費ゼロへの取り組み! (※全体図の8~10)
ポイント3は風と光、雨水をデザインした、「導エネ」の住まい。自然のエネルギーを上手に取り入れる自然との共存への取り組み! (※全体図の11~13)
ポイント4はエネルギーの“見える化”と“見せる化”で、「調エネ」の住まい。見えるから、使い過ぎや無駄が一目瞭然になりエコライフへの取り組み! (※全体図の14)
これらのポイントを含めて、建物の環境性能を評価するものとして「CASBEE(キャスビー)」という建築環境総合性能評価システムがあり、環境効率★★★★★Sランクと最高ランクとし、ライフサイクルCO2は緑星4以上で四季折々の豊かな緑と草花に包まれた住まいづくりを通じてまちなみとの調和を図り、長く住み継がれるLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅こそが、地域に根差した住まいであり地域貢献への取り組みであると思います。
そのために、建設段階で様々な性能・デザインや使い勝手に至るところまで配慮した上で、長持ちする住まいは住み手が家に愛着を持ち、私どもとともに定期的な住まいのお手入れを実施し、いつまでも快適な住まいの性能維持を図ることが大切だと考え、私たちはユーザーメンテナンスセミナーを実施しながら、エコな暮らしの普及・波及活動にも努めております。
私たちが提案する「かごしまの地域型省CO2エコハウス」は快適な生活空間を維持するための技術の進化によってエネルギーに頼ったライフスタイルが主流となってきている中、鹿児島の地域特性を生かしながら、暑くない、ちょうどいい心地よい暮らしが地域環境にもやさしいことにつながることを気付いて欲しいと思います。
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「鹿児島からの便り」特派員
森勇清(山佐産業㈱ 取締役 住宅本部部長)
1968年鹿児島県垂水市生まれ。 一級建築士
2008~2010年「長期優良住宅先導的モデル事業」採択、2011年「住宅・建築物省CO2先導事業」採択、2012年「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2012」特別優秀賞・優秀企業賞受賞